1-08.擁壁の越境トラブルはなぜ起きる?
不動産に関するトラブルで、最も多いもののひとつが「擁壁の越境」によるものです。
擁壁とは、土地に高低差があるときに設置する壁状の囲いのことをいいます。
いったいなぜ、この擁壁を巡って越境トラブルが起こってしまうのでしょうか。
擁壁を設置する基準には、土地の高低差が2メートル以上であるときや、高低差の2倍以上の場所に建物を建築するときなどの条件があります。
設置を担当するのは「崖地の土地所有者」または「地盤面の高い土地所有者」などの原則がありますが、いずれであっても自分の土地内に基礎部分を含めた擁壁が納まるように設置する必要があります。
擁壁を設置する際には基礎部分をどこにするかを双方の土地所有者が協議して決める必要がありますが、古い擁壁では設置時の当事者双方がすでに故人になっている場合もあり、当時の話し合いが子孫に伝わっていないことが多くなっています。
そのため、擁壁設置の協議内容や同意事項が文書化されていないと、片方の土地が売却されて新たな土地所有者が出てきた場合、越境トラブルが起こりやすくなるのです。
このようなトラブルでは過去の協議内容を云々するよりも、将来に向けての擁壁の維持管理分担や修復費用などに関して新たな取り決めを行なうことが大切になってきます。
もし越境が心配される擁壁のある土地を取得する場合は、購入契約の前にこれらの内容を明確にしておくといいでしょう。